雑記20201214:今日わかったまた会う日が生きがいの悲しいDestiny
2020年下半期はNHK朝ドラをめちゃめちゃ見た。
放送していた『エール』とかじゃなくて、昔のものを、オンデマンドで。
同時に見進めたりもしていたので、見た順番ではなく放送順だと
『カーネーション』、『あまちゃん』、『ひよっこ』、『半分、青い。』、『まんぷく』、『なつぞら』、『スカーレット』あたり。
加えて、いくつか序盤で脱落したものもある。
次は『あさが来た』が見たいのだけれどオンデマンドにはない。
NHK朝ドラは1話が15分で殆どが全156話(1週6話x26週間)なので全話見ると39時間かかる。単純計算で今年は273時間をNHK朝ドラに費やしている。
『スカーレット』なんかは見てる途中で伊藤健太郎が逮捕されてしまいオンデマンドから削除され見れなくなってしまったのですべてフルで見たわけではない(そもそも『スカーレット』は放送時に1日2回見てたのでいいんだけど)けれども。
調べたところによると、250時間勉強をすると日商簿記2級に合格できたらしい。
見なかったからって勉強してたわけではないのだが。
こんなにもNHK朝ドラを欲していた理由は明確に自分でもわかっている。
あまり、心がかき乱されないからだ。
残酷なシーンもなく、悲惨な展開もなく、妙な広告も入らず、突飛なストーリーもなければ過剰なロマンスもない。
平日朝に放送されることを想定されたドラマが、ひとりで家に閉じこもっている生活の荒みを絶妙に誤魔化してくれる感がある。
なにより好きなところが、『敵』がいないところである。
親しい人はみんな知っているけれど、僕は少年漫画が苦手だ。
読んでいると寝てしまう。
そもそも白黒の絵にあまり関心がないので闘いの場面がつまらなく感じるというのが大きな理由だが、敵を倒すというストーリー展開にリアリティを感じられずエクスタシーが得られにくいこともかなりあると思う。
だって、現実世界に『敵』なんているの?と思うから。
近年のNHK朝ドラは大きくふたつに分かれていて、『主人公が何者かになる物語』と『主人公が何者にもならず生きていく物語』がある。
NHK大阪製作のものは前者が多く、NHK東京制作のものは後者が多い。
前者は『カーネーション』、『なつぞら』、『スカーレット』あたりで、後者は『ひよっこ』、『半分、青い。』など。
『あまちゃん』は、ぱっと見は前者寄りだけど僕は後者だと思う。
前者『主人公が何者かになる物語』にはだいたいモデルが居て、日本ではじめて〇〇をした人、みたいなのが多いのでそもそも誰かを倒す必要はないのだ。
自分が好きなことを突き詰めていたらそうなってしまった、的な。
後者『主人公が何者にもならず生きていく物語』はどちらかというと人生賛歌的な趣で、単純に主人公や周りの人が一生懸命に生きていく様をドラマにしていく。
何者にもならないので、史実は折り込みつつも歴史上のモデルなんかはない。
もちろん、何も成し遂げない普通の人がヒロインなのだから敵が出現する展開にはなかなかならない。
敵が完全に居ない、というと少し語弊がある。
『あまちゃん』の太巻や『ひよっこ』の川本世津子、『半分、青い。』の清、『スカーレット』のお父ちゃん(常治)など主人公の行く手を阻む存在はもちろん存在する。
しかし彼らは倒すべき敵というよりも、主人公の人生の糧というか、スパイスくらいの存在に描かれていると感じる。
少年漫画においては敵を倒すことが自分の人生の救済に繋がる、というメカニズム自体はよくわかるので少年漫画の何かを否定することはない。
けれども少なくとも僕の人生は、NHK朝ドラのように自分自身や周りの人のことを思って生きる事が自分の人生を救済するように出来ているのではないかと思う。
そういうリアリティや地に足のついた展開が、今年の孤独に対していい薬になった気がする。
むかし働いていた会社に、身の回りの人を敵と味方に分ける女の子が居たのを思い出す。
僕も普段は仲よくしていたが、状況によっては僕自身の見解もあるし、そもそも仕事なので彼女の味方ばかりしていられないと率直に意見を言うと『ばんまさんは私の味方だと思っていました!』というキレ方をする。
そういう性格だからから彼女のことを苦手に思う人に居て、邪険にする人を『敵』のリストに入れていた。
そのうち病みそうだな、と思っていたけれど、元気なんだろうか。
いろいろな環境があるので一概には言えないけれども、結局、現代社会で生きている限り闘うべき相手は自分自身になってしまうんだと思う。
そういう真実を静かに説くNHK朝ドラがとにかく心地よくて延々と見てしまう。
だんだん見るものがなくなってきて大河ドラマにも手を出し始めたけど、やっぱりそっちはダメでした。